ギャンブル資金でのキャッシングは要注意!サラ金や消費者金融で破産する人々

キャッシング基礎知識

2015.07.20

mag064

言うまでもないことですが、競馬やパチンコなどのギャンブル資金のために、キャッシングをする。
これは極めて危険な行為です。

消費者金融がサラ金と呼ばれていた時代から、こういうギャンブルと借金がセットになったトラブルは、星の数ほどありました。
(今もあります)

ここでは、そのようなギャンブルとキャッシングの接点に関する現状。
そして、ギャンブルで破産した時の自己破産などがどうなるか、をまとめます。

【目次】

1.ギャンブルで多重債務者になる人は、どれだけいるのか
1-1.多重債務者全体の約6%、15人に1人だが…
1-2.借金の理由で、本当のことを語る人は少ない
1-3.ギャンブルでの破産者は、実際はもっと多い

2.ギャンブルで破綻した場合の、自己破産の免責について
2-1.1回目だったら免責が下りることが多い
2-2.免責不許可事由とは?
2-3.クレジットカードの現金化は、絶対にしてはいけない
2-4.裁量免責とは?

3.まとめ「パチンコ屋のバイトだった私の体験談」

1.ギャンブルで多重債務者になる人は、どれだけいるのか

1-1.多重債務者全体の約5%、20人に1人だが…

金融庁の2011年の資料で、「多重債務者が借金をした理由」がわかります。
その理由で「ギャンブル・遊興費」と答えた割合は、4.9%。
つまり、約5%で、20人に1人ということです。

(金融庁『財務局等及び地方自治体における多重債務相談の状況について』)

しかし、実際には確実にこれより多いはずです。
というのは、これは匿名のアンケートではなく「多重債務者のための無料相談会」での面談結果だからです。

1-2.借金の理由で、本当のことを語る人は少ない

借金をした理由を、正直に答える人はほとんどいません。
借金の金額すら、ほとんどの人は隠すくらいです。

理由を正直に言えない理由(ややこしい)は、2つあります。
1つは「単純に恥ずかしい」ということ。
もう1つは「正直に言ったら、自己破産が認められないのでは」ということです。

後者の心配は妥当です。
というのは、自己破産では「ギャンブルや投資による破産は認められない」という条件があるからです。

自己破産は、宣言しても誰でも借金がチャラになるわけではありません。
自己破産を宣言した後、裁判所から「免責」を認められる必要があります。

「免責=借金帳消し」ということですが、ギャンブルで破産した場合、この免責が下りないルールなんですね。
これについては後で詳しく語りますが、そういう理由で「ギャンブルで破産したことを言わない」多重債務者の方が多いのです。

1-3.ギャンブルでの破産者は、実際はもっと多い

しかも、この調査は「無料相談会に来た人」のみのデータです。
もちろん、それでも十分信頼できる調査ですが、多重債務者のうち、かなりの方は「相談会にも来ない」んですね。

彼らがどうするかというと、今の借金を払うために街金で借り、トイチのヤミ金で借り、トサンで借り、トゴで借り…という風に、人知れず破滅していくのです。

(トイチ…10日で1割の利子、トサン…3割、トゴ…5割)

多重債務者は毎年約100万人いますが、そのうちの8万人が毎年行方不明になります。
普通にホームレスになったり夜逃げしたりして生き延びている方もいるでしょうが、いわゆる「沈められた」人もいるでしょう。

また、ここまで悲惨な人生を送っていなくても「すべての多重債務者が相談に来るわけでない」ことは当然です。
ましてギャンブルで破産するタイプの人は、基本的にお役所などが嫌いです。
(脱税願望もすごくあります。だからギャンブルするのです)

…というわけで、この調査結果はもちろん非常にいい&信頼できる調査なのですが、「実際にギャンブルで破産した人は、もっと多い」というのは間違いないでしょう。

(調査された金融庁の方も、それは百も承知だと思います)

2.ギャンブルで破綻した場合の、自己破産の免責について

2-1.1回目だったら免責が下りることが多い

先にも書いた通り、本当はギャンブルでの自己破産は免責が下りません。
つまり「借金がチャラにならない」のですが、1回目は例外です。

1回目のみ「裁量免責」という「裁判官の裁量で免責にする」という方法が取られ、ギャンブルが原因の自己破産でも、免責が下りることが多いです。

国としては自殺者や餓死者はできるだけ出したくないし、闇金業者をのさばらせるのもイヤなので、できるだけ自己破産は認めたいのです。
しかし2回以上繰り返す常習犯になると、逆に彼自身を取り締まる必要があるので、そういう人物に対しては、免責を認めない…ということです。

2-2.免責不許可事由とは?

自己破産は「免責」が下りて初めて「借金帳消し」となります。
つまり、免責が下りない「自己破産」だけでは意味がないわけですね。

そして、この「免責が下りないケース」が決まっています。
これを「免責不許可事由」といいます。

免責不許可事由の主なものは下の通りです。

  • ギャンブル(パチンコ、競馬、競輪など)
  • 投資(株取引、先物取引、FXなど)
  • 不法な換金行為(クレジットカードの現金化など)
  • その他の不法行為(虚偽・隠蔽・調査非協力など)

…という風です。
簡単にいうと「ギャンブル、投資はダメ」ということです。

ここで特に強調したいのは「クレジットカードの現金化」についてです。

2-3.クレジットカードの現金化は、絶対にしてはいけない

お金に困ると「クレジットカードの現金化」に手を出してしまう人は多いです。
私も多重債務者だった頃、一度使おうと思って、電話までしたことがあります。

クレジットカードの現金化が、下の4つの理由から、絶対にやってはいけません。

(1)手数料が法外に高い(10万円につき1万円~2万円)
(2)クレジットカードの利息も別に払う
(3)自己破産が認められない
(4)クレジット会社にバレると、強制解約&残高の一括返済に

…ということです。
(1)と(2)をまとめると「お金を取られる」ということですね。

これだけでも十分イヤだしダメージが大きいですが、さらに怖いのは(3)と(4)。
特に破産者の最後の切り札の自己破産(の免責)ができなくなるというのは、人生レベルで危険です。

自己破産さえできれば、人生はいくらでもやり直せるのですが、これが認められないと、本当に地獄なので。
(実際、投資で失敗して億単位の借金を背負った方々もいます。悲惨極まりない人生です)

(4)も怖いです。
強制解約はまだいいですが、一括返済を要求されると、ただでさえ苦しい状況に「最後の一撃」を食らうことになるでしょう。
(実際、このパターンで破滅した方は多いです)

お金に困っていると、こういう情報を集める時間も精神的な余裕もなく、とにかく「借りられれば何でもいい!」と、目の前のお金に飛びついてしまいます。

しかし、そもそも借金なんて自己破産さえできれば、極端な話どうということはないのです。
多重債務者の方が一番避けるべきことは「自己破産ができなくなる」ことで、それ以外はさほど大したことではないのです。

(もちろん、借りたお金は本当は全部返すのが、人間としての筋なのですが…)

2-4.裁量免責とは?

ここまで書いた通り、ギャンブルで破産した場合、本当は自己破産の免責は認められません。
しかし、裁判官の「裁量」によって、免責されることもあります。
これを「裁量免責」と言います。

法律では、裁量免責では「下のようなことを考慮していい」となっています。
ここではわかりやすく「ギャンブルで破産した」場合で書きます。

  1. なぜギャンブルをするに至ったか?(動機・原因など)
  2. どんな感じでギャンブルをしていたか?悪質なものだったか?
  3. 返済のための努力をしたか?
  4. 融資した業者は、審査をしっかりしたか?
  5. 破産者は、まじめに更生する気があるか?また、可能性は?
  6. 融資した業者の、自己破産に対する意見は?

…というものです。
例えばですが「1~5が最悪」だったとしても、6で業者が「まあ、いいっすよ」と言っていたら、それでOKのこともあります。

また、6で業者が「絶対ダメ」と言っても、たとえばヤミ金だったら4の「審査」をしっかりしていません。
というわけで、裁判官が免責を許可します(することが多いです)。

いずれにしても「よほど悪質」でなければ、1回目は大抵は免責が下ります。
ただし、2回目は厳しいです。

3.まとめ「パチンコ屋のバイトだった私の体験談」

私は多重債務を返済するためにパチンコ屋さんでバイトをしていたことがあります。
冷静さを失って、キレて台をガンガン叩いているお客さんは、何度も見てきました。
(うちの店は、お客さんに稼がせる方だったので、かなりマシでしたが)

当時見たパチンコ雑誌の体験談で、「大負けしたお客さんが、トイレの壁にウンコで『死ね』と書いていった」などというものもありました。
またひどいニュースでは、お店に放火して、数名の死者が出たというものもありました。

ギャンブルをしている時は、勝っても負けても、絶対にまともな精神状態ではありません。
特に負けている時はなおさらです。

そういう時のキャッシングが、いかに危険かは言うまでもないでしょう。
ここに書いてもそういう方が読んでくださる可能性は低いですが、「麻薬は危険」というの同じく「ギャンブルとキャッシングの組み合わせは危険」というのが、徹底した社会常識になってくれたらいいと思います。

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